保育実習とは、保育士になるための学校で実施されている保育の実技演習のようなものです。保育士になるためには必ず通らなければならない道であり、また保育実習を通して実際の保育士が経験するさまざまな楽しさやつらさ、子供と接することの喜びなどを学んでいきます。今回はそんな保育実習で実際にやることや、その特徴などについて見てみることにしましょう。
保育士になるためには、まず大学や専門学校で保育に関する知識を学んでいくことになります。大学や専門学校では主に座学を中心として学習していきますが、実際に保育士になるためには、そうした授業で学んできた知識がどこまで通用するのかを確かめるような場が必要です。そこで各学校で実施されているのが保育実習です。保育実習は、学校外の保育施設などで実際に子供たちと触れ合いながら、それを通して保育者としての力を蓄えることが目的となっています。教師になる人が教育実習を受けるために母校などに通いますが、保育実習はその保育士バージョンだと考えてよいでしょう。保育実習の実習期間は最低でも30日間と義務付けられており、その中で実際に保育士がするべき仕事を体験し、自分の保育士としての能力を確認することができます。普段の勉強からはわからないような貴重な体験をすることもあり、いわば保育士になるための登竜門のような実習です。
☆実習先はどこへ?
保育実習における実習先はさまざまです。実習先は通っている各学校が紹介してくれるわけではなく、基本的に自分で探す必要があります。教師になるための教育実習では、自分の母校に実習で行ったりしますが、保育実習の場合も実際に通っていた保育施設などを実習先として選んでも構わないことになっています。あるいは、現住所の近くにある保育施設を実習先として選ぶことも多く、将来働きたいと考えている施設で実習を受けるという人もいます。ただ、保育実習生の受け入れを行っている施設においては、応募の人数に制限など設けられていることもよくあるため、希望の実習先を見つけたら早めに応募して実習先を確保しておくことが肝心です。その一方で、通っている大学や専門学校の地域によっては、学生を一括して所管の施設へ実習申請することもあるので、まずは通っている学校や地域の実習制度について調べてみると良いでしょう。
保育実習では実際の保育施設に赴いて、そこで保育士の仕事を体験することになります。具体的に何をするのかというと、たとえば子供たちと一緒に歌を歌ったり、あるいは園児たちと走り回ったりなど、実際に保育士が行っている仕事をこなしていきます。保育実習には主に3つの段階があって、すなわち見学実習・部分実習・全体実習です。見学実習では保育士の動きや指導の仕方などを見学して学習するという実習です。部分実習では、実際に保育の現場に出て、部分的に保育士の仕事を体験していきます。歌や塗り絵など、保育の一部分だけを任されることになります。最後に全体実習ですが、この実習では一日丸ごと保育士同然に振舞うことになります。やるべきことも多く、保育実習のなかでも大変な一日になるでしょう。また、保育実習中は日誌を書くことも仕事の一つなので、怠らないように気を付けましょう。
保育実習に実際に参加するうえでは、とにかく現場の雰囲気を楽しむということを心掛けておくと良いです。実習中は初めてのことをたくさん体験するので、どうしたら良いかわからずにどうしても戸惑ってしまいがちです。たとえば、見学実習の際に子供に話しかけられたらどうするべきでしょうか。実習中だからといって無視したりせずに、子供の目線に立ってちゃんと受け応えをしてあげましょう。子供たちからすれば、実習生も実際の先生もあまり変わりません。実習生だからと手を抜いたり気を抜いたりしていると、子供はすぐにそうした態度を見抜いてしまいます。子供と一緒に楽しみながら、真剣に実習に臨む姿勢が求められます。そうすれば、学びが多く忘れられない思い出になることでしょう。
子供と接するうえでは、何事も一生懸命にがんばるように心がけましょう。
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