仕事のキャリアを積んでいくと、リーダーの役割を任される機会が増えてきます。それは、保育士の世界でも同様で、経験が長くなりまとめ役として能力がついてくると、保育士をまとめる役割を果たす主任保育士を任されることになるでしょう。そこで、どうすれば主任保育士になれるのかについて、また主任保育士の役割、仕事内容、そして悩みなどについてお伝えします。
主任保育士とは保育士を束ねる現場のリーダーです。企業でいえば班長や係長といった現場の管理職に相当するものだと理解するとよいでしょう。そのため、主任保育士になると、自らが担当しているクラスだけでなく、保育園全体のことを考えて行動することが求められるようになります。いわば保育園の経営者の一員としての自覚が求められるようになるのです。また、他の保育士への指導や、保育園によっては園長のサポート役を果たすこともあります。特に他の保育士への指導は重要な役割です。新人教育だけでなく中堅保育士の成長を促す指導をすることが求められます。仕事の責任は重くなりますが、その分、現場を支える重要な役割を果たすことになりますので大変さに見合ったやりがいを感じることもできるでしょう。
☆主任保育士の仕事内容を知っておこう!
仕事内容は大きく分けると3つあります。1つ目は他の保育士の指導とサポートです。子供への接し方に関する知識や実践技術の指導だけでなく、現場の保育士の相談役としての役割も期待されます。また、勤務体制表の作成を任させることもあるでしょう。2つ目は保育園が主催するイベントの企画や運営です。保育園が行う運動会などの企画・運営については、安全管理などの特別なノウハウが必要ですので、経験がある主任保育士が中心となって準備を進めることになります。3つ目は、問題を抱える子供への対応や保護者の悩みに対して相談に乗ることなどです。いずれも、経験が少ない新人保育士には困難なレベルの高い仕事内容が含まれていますので、主任保育士として仕事をするためには、しっかりとキャリアを積み十分なスキルを持っていないと務まらないでしょう。
☆主任保育士特有の悩みとは?
主任保育士になると、それまでとは違った役割を求められます。そのため、主任保育士になると特有の悩みを抱えるようになる人もいます。主な悩みとしては2つあげられます。1つは、保育士の育成に関する悩み、もう1つは収入と労力のバランスに関する悩みです。1つ目の保育士育成についての悩みは、一般の事業会社の上司の悩みと同じといえるでしょう。世代や考え方などの違う保育士を指導していくのは大変です。人材育成が上手くなるのは簡単なことではありませんので試行錯誤していくしかないでしょう。2つ目の収入と労力のバランスについては、保育園によって状況が変わってくる可能性があります。ワンマン経営の保育園や保育士数が多い保育園などの場合、主任保育士になっても給料が上がらないことがあります。仕事が大変になるだけで給料は一緒となると、やりがいを感じにくくなるのはやむをえません。この場合は、転職などによって解決する方法が考えられます。
仕事は大変になりますが、仕事の範囲が広がったり、より強くやりがいを感じたりする機会を得られる主任保育士になりたいと考える保育士も多いでしょう。主任保育士にはどうしたらなれるのでしょう?ポイントとなるのは保育士としての経験年数や年齢だといわれています。保育園の規模や運営方針によっても変わってきますが、保育士としてのキャリアが20年程度必要なケースもあるようです。私立の保育園の場合は比較的短く、5年から10年程度で主任保育士になれるケースもあります。主任保育士を目指すのであれば、問われる経験年数が短い保育園に転職するのも選択肢の1つといえるでしょう。