保育士になって子どもと過ごすのは楽しいけれど、保護者との関係づくりが苦手という方も多いことでしょう。しかし、保護者への対応も保育士にとって大切な仕事のひとつです。たとえ苦手であっても、避けて通ることはできません。では、どのようにすれば保護者と良い関係性を作れるのでしょうか。
保育士が日常相手にしているのは子ども達ですが、園での子どもの様子を伝えたり保護者からの相談を受けたりと、保護者との関わりも多い仕事です。保護者の年齢や性格もさまざまですから接し方に戸惑うことも多いでしょう。しかし、苦手だからといつまでもよそよそしい態度では、保護者の不安や不満が高まってしまいます。保護者と信頼関係を築くためには、話しやすい雰囲気作りが大切です。ただ、気をつけておきたいのは適切な距離感を常に保つことです。保護者の悩みに対して親身になるあまり、必要以上に距離を縮めてしまうとトラブルになる原因にもなりかねません。保護者の話にしっかり耳を傾けることは大切ですが、何でも受け入れてしまうと要求がエスカレートしてしまう可能性もあります。時には柔軟に、時には毅然とした態度で接することが大切です。保護者対応で困った時は、自分だけで抱え込むのではなく園長先生などに相談するようにしましょう。また、施設内で情報共有することで話し合いの密室化を防ぐことにもつながります。
普段、保護者とゆっくり話せる機会というのはさほどありません。しかし、多くの保護者は園での子どもの様子をよく知りたいと思っています。お迎えのときなど短時間でも円滑なコミュニケーションをとるために、会話のネタを事前に見つけておきましょう。たとえば「今日はお絵かきの時間にぞうさんを上手に描いていましたよ」とか、「お友達におもちゃを貸してあげていました」など、些細なことで良いのです。離れている間の我が子の様子を教えてもらえるのは保護者にとって嬉しいものです。ただ、話が盛り上がり過ぎて、友達同士のような会話にならないように注意が必要です。礼儀は、先ほども挙げたように距離感を保つことにもつながります。また、怪我やトラブルについてはきちんと報告しておきましょう。小さな怪我だからと報告せずにいると、保護者に不信感を与えてしまいます。怪我の原因や対応について、保護者が納得するようにきちんと説明することで信頼へとつながります。
保護者と良好な関係を作るためには、「雰囲気の良い先生」という好印象を持ってもらうことが第一です。不愛想な態度や派手すぎる化粧、暗い表情などマイナスイメージを持たれてしまうと、その後の関係性にも影響が出てくるでしょう。明るい笑顔で丁寧な口調、清潔感のある身だしなみなどの基本は押さえておくべきです。「毎日の送り迎え、ありがとうございます」など、たまに保護者へのねぎらいの言葉をかけることも好感をもってもらえるポイントです。保護者は輪になって集まっていることも多いですが、集団に対して良好な関係を作るのは大変です。保護者の不安や不満が、集団の中で大きく膨らんでしまうのはよくあることです。そういうことを解決するために、毎日少しずつでもひとりひとりと会話をして1対1の関係性を作っていきましょう。ときには、保護者へ要望を伝える必要性が出てくることもあります。「○○してください」という強い口調ではなく「○○していただけるとありがたいです」と柔らかい口調で伝えられるようにしましょう。保護者と良い関係を築くことで、日々の仕事をスムーズに行えるようにしていきましょう。